“一緒に歩む幸せ かけがえのない毎日”
~ひろがれ、かさなれ、むさしののわ~
-
彼の熱心さは、いつも僕らを勇気づける。
一生懸命、脚を前に出し、一歩ずつ歩いていく。
小さな手で、でもしっかりと杖を握り、まっすぐ前を向いて歩いていく。
あまりに熱心過ぎて、彼は見守る僕らの姿を意識していない。
僕らにできることは、倒れないよう先回りすることではない。
時に倒れても、また彼が自分のペースで歩き出せるよう寄り添うこと。
つらくなって、彼があきらめかけた時にも、
前を向いて歩こうとする気持ちが消えないよう支えること。
彼も、僕らも真剣勝負。
歩く彼をしっかり見つめ、
僕らも自分の体温を一度上げて、全力で彼に付いていく。
それでも、うまくいかない日は来る。
クタクタで、投げ出しそうになることもあった。
自分の無力さに、心が動かなくなる時もあった。
でも、そんな時は、決まって仲間が横にいた。
「大丈夫、無理するなよ。」と声をかけてくれた。
隣にいてくれた仲間に支えられ、僕が顔を上げると、先を歩く彼と目が合った。
肩で息をしながら僕を見て、うなずきながら微笑んでくれた。
僕も目をそらさず、うなずいて笑顔になった。
彼との毎日は、こうして積み重なっていく。
広がって、重なって、やがてこの喜びが
彼と仲間と僕の力になり、武蔵野の体温を上げていく。
この道はずっと先まで続いている。